長靴で行こう。


学生という身分、こと大学生はお金がない。


社会人に比べれば自由に使える時間はある筈なのに、
社会人に比べればあまりに自由に使えるお金がない。
やりたいことをするにはお金を稼がなくてはいけなくて、
でもアルバイトばかりしていると時間がなくなるわけで。
もちろん皆がそうではないだろうけどね。


時間とお金の使い方を学ぶ、という意味ではこういう身分で
生活するのも経験になるのかな、とは思うんだけれど。
しかし俺に関して言えば、軍資金調達のはずのアルバイトに
はまってしまって、いつしかお金のためではなく働くことそのものに
時間を費やし過ぎ、本分たる学業がテケトーになってしまうという有様。
お金はないわ時間はないわ、ボスから「実験せえアホ」と罵られるわ、
なにやってんだか、ねえ。


そんな万年金欠の俺の趣味はいろいろあるのですが、その一つが料理。
美味しいご飯と美味しいワインが食卓にあればあとは何もいらない、
バルサクラシコで勝ってくれればそれでいい。悟りきった22歳。


自分で言うのもなんだけどほんとイタリア人に影響受けてると思う。
美味しいご飯とカルチョが全て、綺麗なお姉ちゃん見たら即ナンパ、
色とりどり飾るよりもシンプルに美しいセンスを是とするべし。
お金がなくて貧しくても、それを笑い飛ばして陽気に暮らそうぜ、
それが幸せってもんだよ、という生き方。
俺はあの国に行ってそれを確信したのでした。


しかし飯を喰わねば腹は減る。これは従属栄養生物の宿命であり、
お金なくったっていいさー!と言うだけじゃ生きていけないのです。
しかしお金が無いからと言って安くて不味いインスタントジャンクフードを
食うのはイヤだ。じゃあどうするか。


かのマリー・アントワネットは言いました。
「パンがないなら焼けばいいのに」









というわけでフォカッチャ/focacciaを焼いた。
それがすごく美味しかったのでレシピを残しておこうという話。
前置きが長くてクドくてほぼ関係ないことに突っ込んだら負け。


検索すればいろいろレシピは出てくると思うのですが
今回は自分なりに少し改良しています。


以下まてめそ。




強力粉 300g
小麦粉 100g
ドライイースト 5gくらい
オリーブオイル 20ccくらい+100ccくらい
水 250cc
砂糖 15g
有塩バター 40g
岩塩
タイム


本家では強力粉と中力粉を1:1で配合してましたが
中力粉なんてないので小麦粉でお茶を濁してみた。
さらに無塩バターを使えと書いてあったんだけど
そんなもんねえよということで有塩バターを使い、
代わりに塩は入れません。
あと、量は結構適当。
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1. ドライイーストを100ccのお水(人肌のぬるま湯がベスト)で戻し、
オリーブオイル20ccと残りの水150cc、砂糖をあわせておく。
バターも溶かして別においておく。


2. あわせた粉に1.の液体を投入して、混ぜる。すげー混ぜる。
さらにそこに溶かしたバターを入れる。混ぜる。


べちゃべちゃと手について扱いにくいけど、これでいいそうです。
あまり捏ねすぎないように、と書いてあったけどグルテン作り過ぎると
フォカッチャっぽくならないのかな?


3. ボウルに入れ、表面にオリーブオイルを塗りたくって発酵。
40℃くらいがベスト。二倍、と言わずにすげー膨らんだら発酵終了。
セレビシエに頑張ってもらいましょう。


4. 平らに伸ばし、型があれば生地を敷く。うちには型はないので、
オーブンの天板に円盤型に敷いた。その上にオリーブオイル100ccを
生地の上にたまるようにブチ撒ける。岩塩とタイムをノリで振る。





5. 190℃のオーブンで30分焼く。焼き色を見て温度と時間を調節しても。





6. 完成。写ツをtwitterにpostして、オリーブオイルと一緒にいただく。





多分この通りに作るとうまくいかないと思う。ごめん。
でも何故か俺が作ったらその、すごく美味しかったんだ。
フィレンツェのトラットリアで食べたフォカッチャの味がして、
少し泣きそうになったんだ。帰りたい!トスカーナに帰りたい!








ついでにつけあわせの魚介と野菜の煮込みのレシピも書いとくか。


たまねぎ てきとう
えりんぎ てきとう
しめじ てきとう
みにとまと てきとう
えび てきとう
あさり てきとう


1. 鍋にオリーブオイルとバターを熱しててきとうに切ったたまねぎ、
きのこ類、みにとまとを入れる。塩振って味付け。


2. エビもブチ込む。白ワインを少し入れて水分を飛ばしたら、
少しだけブイヨンを溶いたお水を材料がひたひたにならんくらいまで
入れる。そんで煮込む。オレガノとか入れるといい感じ。


3. 別のフライパンで、オリーブオイルとバターを熱して、
砂抜きしたあさりを白ワインで蒸す。貝が全部開いたら
出汁を鍋の方に先に加える。


3. 煮込んでいい感じになったら、あさりを入れて軽く熱を通す。
チーズぶっかけてできあがり。




そんな適当で美味しいもんが作れるわけねーだろ!と思うなかれ。
完璧な量を記したレシピなんてないんです。人によって好みの味は違うし、
用意する材料だって全然違う。重要なのは行程であって、その途中途中で
少しずつ味見をしながら仕上げるのが料理の極意なんです。




お金と時間と卒論に余裕がある人はぜひおためしあれ。