コントラタッケ

戦況は未だ芳しくない。


何と戦っているか?それはおれにも分からない。それは2009年かもしれないし、東京というメトロポリスかもしれないし、あるいは他の何かかもしれない。だがここ最近のおれは圧倒的に押し込まれている時間が続いている。UEFA Champions League 08-09 1/4 Final 1st LegのFC Bayern Münchenのような気分だ。相手は歴史上最強と謳われるバルサ、しかもアウェーのカンプ・ノウ、だけど自分達のサッカーを貫けば勝機は必ずやあると意気込みピッチに上がった途端に虐殺の45分間である。メッシを止めるとかそういう問題じゃない。


そんな訳で卒論ボコボコ、移籍先ラボのお仕事もボコボコ、サッカーも出来ない、お金もないの0-4で前半を折り返した2009年(やはり相手はYear 09か!)、バルサの三冠という大変喜ばしい出来事はあったもののおれの仕事じゃないしね。これだけ劣勢に立たされるのも人生で初めての経験かもしれない。状況打開の糸口がさっぱり見えないが充分過ぎるセーフティーリードを奪われたので後半は流石にさらなる猛攻を受けることもなかろう…と信じたい。一体何の話だって?察してくれよ。人生うまくいかない時だってあるさ。


そう、人生うまくいかない時もある。それはそうだ。光だって波なんだから人生だって波、波なら何でも上下するものさ(おっと、ここに物理学的なツッコミを入れるとサムい奴だと陰で罵られるからやめておいた方がいい)。問題はそういう時、悪くなる一方の戦況をどうやって改善するかということだ。いつまでもうじうじしていたって状況は何も変わらないなんて誰にでも分かる、弱音を吐いたって点は入らない。だからここではどうやってこの劣勢をひっくり返す…あるいはイーブンに持ち込むのでもいい、その方法について少し考えてみようじゃないか。偉大なる哲学者のパスカルは「人間は考える足である」という言葉を残してくれたね。それはつまり、ただボールを蹴るだけならサル(このサルは特別な訓練を受けています)にでも出来る。闇雲にボールを蹴るのではなく、パスなのかシュートなのか、パスなら誰に渡すのか渡した後はどう動くのか、シュートなら努めて冷静にキーパーの動きを見る、そういったアイディアをもって蹴る必要があり、またそれが出来るからこそ人間なのだ。そして状況が悪い時こそ、考えて走り、考えて受け、考えて蹴る。それが現代サッカーに求められることなんだ。ファンタジスタはもう要らない。戦術を理解し、誰よりも長い距離を走り、質の高い動きで攻守共にチームに貢献する、そういう選手でなければ生き残れない。チームの為に、コレクティブに!何の話をしているかって?おい、何でも人に聞く前に自分で考えろと小学校の先生に教わらなかったのか?


そういうわけでアルバイトを始めようと思う。