WORKING!

【急募】仕事
・当方イキのいい健康な23歳の野郎です。働く意欲、超あります。以下簡易自己紹介。
・人見知りせず、コミュニケーションが得意です。場の空気を読んで、さらにその流れを操れます。
・おかげで友人も多く、多方面に同世代だけでなく様々な繋がりがあります。
・快活でポジティブシンキングです。特に根拠はありませんが自信に満ちあふれています。
・しかしただ楽天的というのではなく、問題点を把握した上で、絶望せず解決しようとします。
・スポーツ全般得意です。体格は細いですが意外と体力はあります。根性もあります。
・料理が得意です。イタリアンとフレンチはそこそこのものが作れます。
・文章を書くことも得意です。たまに褒められますが、まだまだ伸びしろはあると思います。
・音楽や芸術を好みます。ディテールに詳しくはありませんがセンスは磨いてきました。
・何においても美しいものにはそれだけで価値があると考えます。
・コンピュータは他の同世代に比べれば使いこなせる方ですが、コードは書けません。
・でも勉強中です。
・英語はペラペラではないですが、海外に行って死なずに帰って来れる程度には喋れます。
・基本的に好奇心旺盛です。しかし飽き性な面もやや見受けられます。
・ですが現在大学院で厳しいボスにこつこつと努力を重ねることの尊さを説かれ実践中です。
・成果は表れています。華々しい結果の裏には謙虚さと努力があると気付けました。
・自分の美学と哲学を持っています。嫌なものにはノーと言い、自分の意見を表明します。
座右の銘は「自重はダークサイドだよ」。
・割と男前です。


というわけで、誰か雇って下さい。もしくは一緒に仕事させて下さい。






就職活動がしたくない。というよりも、「シューカツ」がしたくない。だけど働きたくないわけではない、むしろ自立するため、自分の力で生きるのに必要なお金を稼ぐために働きたいと思ってる。ただ、着慣れないスーツを着て足しげく「セツメイカイ」に通い「えんとりいしいと」に頭を捻る、新卒ブランドを振りかざし自分を取ってくれる企業を探すあの就職活動とやらが、おれはどうにも苦手だ。


実際に本腰を入れてそういったことをしていないので、単に食わず嫌いだと言われてしまえばそれまでなのだけれど、ほら、納豆嫌いの人って「ニオイがイヤ」って言うでしょう。あれに近い感覚だ。屁理屈?まあそんなことはどうでもいいんだよ。


自分の目標がしっかりと定まっていないというのが理由として一つある。漠然と自分のやりたいことや、これはやりたくないというビジョンはあるけれど、じゃあどうするんだと言われると分からない。多分同じような考えを持っているおれと同世代の奴は少なからずいるんじゃないだろうか。受験戦争を乗り越え高校、大学へと進学する、その過程で自分が将来やりたいことを明確に決められる人間なんて一握りだ。仮にあったとしても、成長し社会へと出て視野が広がるにつれてその軸が揺らぐ、折れるなんてことはザラにある。若造の夢なんてそんなものだ。大学では自分のやりたいことが出来る、見つけられると言われるけれど、何の制約もない四年間なんて何も考えずに遊んでいれば一瞬で過ぎる。そしていざ大学卒業となると、自分には何もない。これはマズい、どこか入れてくれと言わんばかりに就職活動を始めるわけだ。よく出来たシステムだとは思うけれど、そういうなし崩し的なのはどうかとおれは思う。


何の為に働くのか。それはもちろんお金を稼ぐためだ。だけどそれだけじゃない。勿論お金のためだけに働く人もいるだろうが、おれは別に目的を持って働きたい。自分が楽しいと思えることを見つけたり、あるいは他の人に楽しんでもらったりする、そして自分を育ててくれた人々に恩返しをするために働きたいと思う。だけど、それを達成するには、このまま流されるように就職して働くというやり方ではいけないと感じてる。


ずばりどうしたいかって?「これをやりたい」そうはっきりと思えるものを自分で見つけたいんだ。だけど、そのイメージが曖昧過ぎる。だからそれを固めるためにもっと色んな世界を見たいし、もっと色んなことにトライしてみたい。学部の四年間で、おれはやりたい放題やったけれども、それでもまだそこには届かなかった。だから流されるよりマシだと思って大学院に進んでモラトリアムを続行した。でももう時間がないんだよ。そう、「新卒」という概念が邪魔なんだ。いくら「自分探しの旅に出てました」と言っても、大学を出てから空白の時間があると日本の企業に就職するのは至難の業だ。流されるか、ニートになるか。おれはどっちも御免だ。そこで冒頭の急募に戻る。それならいっそ誰か拾ってくれ。




勿論冗談だ。現実的に考えようじゃないか。少ないが、いくつか選択肢はある。


一つ、こんなふわふわ時間なおれでも雇って、そして育ててくれるような企業を探して雇ってくれと懇願すること。はじめは自分でもはっきりしていなくても、刺激の多い環境で仕事をすればやりたいことが見つかるかもしれない。勿論見つからないかもしれないし、そもそもこの不況の中で新入社員に好き放題させてくれる会社なんぞ限りなく少ないだろう。そもそも大企業じゃ体質として無理だろうし、かと言っていわゆるベンチャーと呼ばれるような機動力を重視する組織でそんな体力がある企業があるのか。探せばあるかもしれないが、あまり時間はない。


二つ、海外逃亡。日本では新卒じゃなきゃという風潮だけれど、海外に出ればそうでもない。ただし、その代わりさらにリアリスティックに、個人の能力を求められる。はっきり目に見えて使える人材でなければ雇ってくれるわけがない。ただでさえアウェーな環境で、やりたいことを見つけスキルを磨いた上で、自分の能力を発揮出来るのか?甚だ疑問だね。やって出来ないことはないだろうが、学歴だけでチヤホヤされてきたぬるま湯に漬かりっぱなしのふやけた坊ちゃんには想像を絶する苦痛が伴うだろう。


三つ、とりあえず流される。ひとまず綺麗事は置いておこうというわけだ。とりあえずどこでもいいから就職して、資金を貯め、仕事とは別にスキルを磨き、そしてやりたいこと、やるべきことに着手するというやり方。「とりあえず就職」なんて傲岸不遜でしかないが、策としてないわけじゃない。そしてこれが最も実現するための労力は少ないだろうね。ただし目標達成までに時間はかかるだろうし、そのまま流しに流されて墓場に埋もれる可能性も高い。そしてそれはおれが最も忌み嫌うものだ。我が侭を言うな?知るか。嫌いなものに嫌いと言って何が悪い。


四つ、大学に残る。もうなんか考えるの面倒だからこのまま大腸菌すり潰していようというアイディアだ。最高だね。目指せネイチャーホルダー?ゆくゆくはノーベル賞?…だけど、とても残念だが、おれは学部時代の研究室生活で研究者という職業に絶望してしまったんだ。詳しくは聞かないでくれ。いずれ話すよ。だからこの四つ目の選択肢は出来れば採りたくない。


いざこうやって考えると無理ゲー*1な気がしてきた。つくづく人生って大変だね。おれはただ毎日美味しいご飯食べて美味しいワイン飲んで、たまにサッカーして、バルサのスコアに一喜一憂して、それだけで幸せなのにね…だけど得てしてそういったシンプルな幸せの方が、明確な目的を達成することよりも実現するのはとても難しいのさ。そして、だからこそ人生は楽しいんだけれど。


おれの師匠の一人がこんな言葉をくれたことがある。「先のことをあれこれ考えて迷うよりも、その時に自分がベストだと思った選択をしなさい。もしそれが後で悪い結果を招いても、後悔はしないから、きっとその先にまた進めるから」と。ベストな選択、おれにとってのそれは、唯一揺らぐことの無いそれは、常に”楽しむこと”だ。「辛くても負けていても、プレーを楽しめ」とおれのまた別の師匠は言ったよ。だから少なくともこの大変な時を楽しめればいいね…なんだ、もう答えは出ているんじゃないか。よし。三回目のヱヴァ破を観に行こう。

*1:全員絶不調のアビスパ福岡が全員絶好調のバルセロナ相手に後半ロスタイム2分で0-6のスコアをひっくり返すこと