masterrush

東京の冬は寒い。


神戸の冬も寒かったし福岡だって雪も降るしトスカーナカタルーニャイングランドもきっと冬は寒い。ヴァンクーヴァーなんてきっともっと寒い。寒いから冬なのか、冬だから寒いのか、そこのところは、人生23年やってきても、まだよく分からない。よく分からないけれど、その答えを探すよりも暖かいコートをクローゼットの奥から引っ張り出してくるのを優先するのは、それは生物としての生存本能が行動決定の第一基準になっているからで、まだまだおれには自殺したり同性愛に目覚めたりする予定はないってことだ。



はっしゅの内定先の会社に行った話。
id:Hashこと死骸の内定先の会社で、内定者による会社説明会という「この会社こんなところだよ!おれたちまだ働いてないけど」というイベントがあったので、内定者の友人枠で参加してきた。そんな枠があったのか知らないが、ともかくおれは単に友人に会いに行くような気分で株式会社センティリオン様オフィスへと向かった。


社長さんの話、マネージャー・役員の方々の話を聞いて、純粋にああ、いい会社だなと思った。リラックスして行ったのが奏功したのかもしれないね…ベンチャーだとか、金融だとか、ITだとか、そういう小手先ではなくて、組織としてバランスが取れているという印象を受けたよ。引っかかる部分がなかったわけではないけど、素直に、魅力的だな・って思えた。彼ら―2010年から働くことになる新入社員の三人を、少し羨ましく思ったね。だけど、じゃあお前も行きたいか?と言われると、うーん、はっしゅがいるからなあ。同じところに行ってもつまらないだろう。



ハチロク忘年会で暴れた話。
ハチロク世代、この単語を見て未だに「ハチクロかと思った」なんてつまらないリアクションを返す奴はいかに自分のセンスが悪いかということをそろそろ自覚した方がいい。1986年前後生まれの血気盛んな若者達が麦酒のジョッキを振り上げて一般人には到底理解できない内容の言葉を口走る、そんな集まりだ。何十人来たのかわからないけど、人がたくさんいた。


おれが東京に来た理由の一つに彼らの存在があって、「話が通じる」同世代の友人というのは本当にありがたいと思う。みんなそれぞれに得意なことがあって、それを自分の言葉で語ることができる。いわゆる「他の人と違う」というだけではない、本当の個性というものを持っていて…まあ、集まりのほとんどがGeekyな野郎ばかりというのが気がかりでないわけではないけど、その分「ふつうのイケてる若い兄ちゃん」の皮を被ったおれが存分に自己主張してきた。相殺できたかな…あまり自信はないけどさ。


人数が多すぎて全ての人と話したり呑ませあったりしたわけではないんだけれど、これからまた友達になれるよね、きっと。あと、ハチロクフットサル部は常にメンバー募集中ですのでお気軽にどうぞ。



「もしも高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」の著者に会ってきた。


id:aureliano a.k.a. ハックルベリーこと岩崎さん…ああ、もはやどの名前が最も人々に認知されているのかおれには分からないし、それは彼自身もそうかもしれない、ともかく、彼と会ってきた。お会いするのは二度目だ。そして前回と同じく、id:Hashこと死骸(再掲)も一緒だ。ブログやネットや、今回は著書についてお話しながらご飯を食べてきた。


件のやたらと長いタイトルを冠した岩崎さんの著書、もちろんおれも読んだよ。近頃あまり余裕がないからラボの空き時間に、必死に人の目を盗みながらね!何しろカバーには可愛い女子高生の萌え絵。心のなかでごめんなさいと念じながらカバーを外して読むも、まだ挿絵ページというトラップもあって、本当に苦心した。そのことをご本人にガツンと申し上げたところ、あのAKIBA tasteなカバーと絵には、少し意外な彼なりの「理由」があることを聞いた。納得したような、そうでないような…ともかく、おれは正直に言って、あの本は面白いと思った。恥ずかしながらラボで泣きそうにもなった。いくらアルファブロガーと言えど、ハウツーエントリが一番伸びるような彼に面白い本なんて書けっこないだろうと思っていた部分があっただけに、思わず悔しいと感じてしまうほどに面白かった。だからこそあの表紙は、こう言っては失礼なのだけれど、「損」じゃないかと。そう思ったのだけれど、彼の話を聞いて、ああ、そういうこともあるのだなあと。しかし彼のようなタイプの人がそういう決定を下すということがおれには驚きだったね。


ネットでは本当に多くの人にその存在を知られているハックルベリー氏だけど、それに対して実際に彼に会ったことのある人はそう多くないのではないかな。どんな人なのだろうかと、興味を持っている人もきっと少なくないと思うのだけれど、彼の人物像をおれが書いてもちっとも面白くないよね。だから前回の邂逅の後のエントリでも敢えてあんな書き方にしたし、今回も詳細に彼のことを書くつもりはない。だけど、一つヒントを与えるとしたら、他でもないこの「もしも高校野球の女子マネ(…あ、もういいかな?長いんだ…あ、いや、でも、失礼にあたるよね。わかったよ、書くよ…)ージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」には、嘘偽りない彼の姿が映し出されていると思う。


アートでも、料理でも、そして文章でも、その人が本当に心を込めて作ったものは、言わば作り手を映し出す鏡のようなものだとおれは思っていて、そして岩崎さんは、片手間ではなく、ご自分でも驚かれるほどに、この本は心を込めて書き上げたと仰っていた。そして、だからこそ、実際に会った時の彼のイメージと、あの本の持っているものは同じなんだと思う。まあ、それを読み取れるかどうかは人それぞれなのだろうけれどね。


別に宣伝するつもりはないんだけど、あの本は、多くの人が読めば読むほど、面白いことになると思う。だから、興味のある人は是非手にとって欲しいし、それを知人に勧めて欲しい。そうやって多くの人に読まれたあの本が、どういう結末を迎えるのか。おれはそれを見てみたいね。


ああ、そうそう。「次は誰が何を読むんですか?」というおれのジョークにも、彼は大真面目に答えてくれたよ。その答えはここには書かないけど、そのうちに分かるんじゃないかな。おれも楽しみに待つことにするよ。



寒いね。iPhoneにホッカイロアプリがあればいいのにと思うよ。